京大オープン 9割が教える京大数学対策(文系編)

夏になりましたね。いよいよ、8/13には河合塾主催の京大オープンがあります。3週間ですが、対策を諦めないでください。

京大は文系受験生にも数学が課されます。誘導がない、広い解答欄だけの解答用紙……、という話を聞き、「何から手をつければいいのか」と悩む文系受験生も多いかもしれませんね。

今回は京大数学を、あらゆる角度から分析します。時間配分や目標点の決め方、頻出分野、具体的な勉強法、さらに京大数学対策におすすめの問題集まで解説していきます。

受験の概要

はじめに、これからあなたが挑む「京大文系数学」の概要を押さえておきましょう。配点、試験時間と時間配分、そして目標点の決め方を解説します。

 

配点

京都大学の数学(文系)は、学部によって配点が異なります。

総合人間学部(文系) 200点
文学部 100点
教育学部(文系) 150点
法学部 150点
経済学部(文系) 150点
大問は5題です。

 

時間配分
京大文系数学は120分です。120分で5題を解くということは、1題あたり平均24分かけられるということになりますね。

「1題あたり24分」を目安に、持ち時間を適宜割り振ってください。解けそうもない問題は後回しにし、解くべき問題に30~40分ずつかけるというのが現実的な配分でしょう。

過去問演習では時間配分も計画的に進めること。120分をキッチリ計り、「問題を見て解く順番を決める時間」「問題を吟味する時間」「見直しの時間」等も見繕います。

 

感覚として、経済総人に関しては数学で稼ぐ受験者が合格しやすくなっています。文系だけど国語が苦手な人や文転はここで稼ぎましょう。

 

頻出分野

京大文系数学では「整数・整式」「図形」「確率」「微分積分(数Ⅱ)」の4大分野が、かならずといっていいほど出されます。
複数分野を融合させた問題も非常に多く出題されています。「三角関数」と「図形」の融合などですね。

「整数・整式」「図形」「確率」「微分積分」を中心に据え、発展的な演習まで取り組んでいきましょう。

 

対策の心得

オール・オア・ナッシングの精神は未だに残っています。理系同様、論理破綻している解答は問答無用でバッサリ斬られます。

整数問題・確率問題で多く見られるので、しっかりと対策しましょう。

 

また、京都大学の数学の問題は特徴的で、「小問がない」という点が挙げられます。通常の数学の問題とは異なり、複数の小問が後に続いて難易度が上がるような構成ではなく、大問1つだけが与えられます。このため、解答者は一から完答までの道筋を自ら考え出さなければなりません。

一般的な数学の問題では、小問はいくつか用意され、後の小問が前の問題を解くための手がかりやヒントになることがあります。しかし京都大学の数学の問題にはそのような小問がありません。解答者は完答までの道筋を自分で作る必要があります。

また、京大数学の問題は単純なパターンで解けるようなものは出題されません。複数の数学分野が融合した問題や細かな場合分けが必要な問題、要領の良い計算力が求められる問題、さらに論理の正確さや創造的な発想力が必要な問題が多くあります。解答者は問題を多角的に分析し、吟味し、論証する力が求められるのです。

これらの問題に対処するためには、数学の基礎を十分にマスターし、その知識を使いこなす演習を重ねておくことが非常に重要です。自ら問題に向き合い、知識を駆使することで、より高いレベルの数学的な思考力を養うことができるでしょう。

 

オススメ対策書

まずは、夏が終わるまでに過去問に1度目を通す事をオススメします。

オススメなのは教学社ですが、駿台文庫でも構いません。

 

次に、導入です。京大を目指すに値する素養を信頼して、基礎問題精巧を夏までに終わらせて典型例題を徹底的に落とし込みましょう。

青チャートは辞書です。基本的には、標準問題精巧をベースにひたすら繰り返しましょう。解説がとにかく優しくないので分からなければ、近い問題を青チャートから探すイメージです。

 

次に、標準演習です。おすすめは文系数学のプラチカですが、難しい様でしたら理系数学のプラチカでも構いません。実は、IA・llBに関しては、理系数学のプラチカの方が簡単です。しかし、京大の特有の論述力を養うには文系プラチカの方が良いでしょう。

 

秋前、京大オープン第2回が始まる2週間くらい前には過去問に入りましょう。余裕がある方は、各予備校が出している模試を収録した入試攻略問題集(河合塾)や、京都大学の数学などを取り組みましょう。本試験より難しいです。

 

まとめ

京大数学は誘導がなく、自力で方針を立てないといけない点や、論理的で明瞭な解答作成力が必要とされる点が受験生を悩ませるポイントです。

受験生が本質的な数学力を持っているかを見極めたい大学側の意向が感じられますね。

京大数学を解けるようになるためには、計算力や発想力、思考力、表現力といった、総合的な数学の力が欠かせません。基本をしっかり定着させた上で、京大の問題に数多く取り組んで行きましょう。

同じ類の問題が繰り返し出されることも多いので、過去問演習は最低10年、できれば15~20年を目指すと良いでしょう。